訴訟・救済手続

訴訟・救済手続

企業賠償アスベスト・
労災などの相談

企業賠償(交渉・訴訟)

国の労災、給付金とは別に支払いを受けることができます

企業賠償アスベスト

アスベストによって石綿肺、肺がん、中皮腫などを発症し、それが過去の業務による場合、当時勤めていた企業に対して補償を求めることができます。
企業補償は、労災保険や石綿救済法、国による和解手続き(工場型)や給付金制度(建設型)とは別に支払いを受けることができます。
石綿疾患による健康被害は重大であり、高額な慰謝料が認められます。とくに労災認定を受けられた方は、企業責任追及の可能性があるかどうかを弁護士にご相談下さい。

責任を負う企業とその確認方法

石綿の危険性は古くから知られていたにもかかわらず、ほとんどの企業は、必要な安全対策を怠っていました。
石綿の紡績や加工等の製造業はもちろんのこと、石綿含有製品を取り扱う建設業、造船・自動車・鉄道等の製造・整備業、発電所や石油化学工場などでの点検・修繕作業、石綿原料を運搬する運送業などに従事していた被害者の事例で、損害賠償請求が認められています。その他に、直接石綿を取り扱わない現場監督、倉庫業、さらには吹付け石綿のある建物内で事務作業に従事した被害者にも企業の責任が認められています。
企業の責任を追及するには、おおむね昭和35年以降、どの会社で、どのような業務をしたときに石綿粉じんに曝露したかを裁判所に説明する必要があります。
被害者ご本人がすでにお亡くなりの場合、こういった事情が分からないこともありますが、年金記録によって就労先の企業名や就労期間が分かることや、当時の同僚の証言によって石綿粉じんに曝露した具体的状況が分かった例もあります。

賠償請求額

これまでの企業責任追及の裁判例では、死亡慰謝料が2,500~3,000万円、闘病中の方の慰謝料が病名に応じて1,000万円~2,300万円程度認められています。ただし、事案に応じて変わります。
労災給付とは別に支払われる賠償金ですから、企業から慰謝料を受領することで労災給付が減ることはありません。国の和解手続き(工場型)や給付金制度(建設型)で受領した金銭は、企業が支払う慰謝料額から差し引かれます。
慰謝料以外に休業補償や逸失利益などを請求できる場合もあります。

賠償金の獲得方法

1. 交渉

労災認定を受けたのち、慰謝料額等を算出して企業に対し支払を求める(賠償交渉)ことが通常です。すでに複数の被害者が出ている企業の場合などは、支払基準を設けている場合もあります。中小企業や被災者が少ないケースでは、支払いに応じず、あるいは低額の見舞金程度しか提示しない場合があります。

2. 訴訟

支払拒絶や低額の回答しかしない場合、やむをえず裁判(訴訟)を起こします。訴訟では、被害結果の発生と企業の過失(安全配慮義務違反)を具体的に証明する必要があります。

どこで何の仕事をして石綿の粉じんを吸い込んだのか(粉じんの曝露状況)は、被害者によってそれぞれ異なるため、具体的に裏付けをもって主張し、証明する必要があります。なお、アスベストに関する裁判は報道されることもありますが、プライバシーには十分配慮し、勝手に個人情報が掲載されるようなことはありませんのでご安心ください。

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労災申請

労災保険の補償内容

仕事により石綿肺や中皮腫などの石綿特有の疾患にかかった場合、労働基準監督署に労災申請をすることになります。肺がんの場合は一定の条件をクリアできれば労災が認められます。
労災申請せずお亡くなりになった場合でも、2〜5年内であれば生前の休業補償や遺族補償を請求することができます。
労災が認定されると、治療費が全額補償されます。療養期間中、平均賃金の80%相当が補償されます。被害者が亡くなったときは、遺族に対して一時金や場合により遺族年金が支給されます。

労災保険申請を弁護士らが協力する場合

石綿被害によって労災を申請する際、被害者がどこで石綿製品に触れる機会があったのかを特定するのが難しい場合があります。
また、被害者がすでにお亡くなりの場合、ご家族は仕事の内容が分からず、病気の原因が仕事にあることを説明できない場合があります。
労災の請求期限を経過していた場合、石綿による疾患は明らかであるものの仕事が原因か分からない場合でも、石綿救済法による給付が受けられることがあります。

当弁護団では、多種多様の被害事案を取り扱っていますので、被害者の職歴等から被害状況を推測し、必要な調査を行い、資料を提出します。場合によっては協力者(同僚証言者)を探すこともあります。労災申請の方法が良くわからない方、労災申請したが資料が足りなかった方は、当弁護団にご相談ください。

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