日立製作所笠戸工場損害賠償事件【岐阜地方裁判所】において和解が成立しました。当弁護団の企業賠償・工場型アスベスト国賠訴訟和解手続き 実績紹介のページを更新しました。
日立製作所笠戸工場損害賠償事件【岐阜地方裁判所】において和解が成立
日立製作所笠戸工場(現笠戸事業所)で鉄道車両の製造作業に従事し、鉄道車両に使用されていた石綿(アスベスト)にばく露したことにより悪性胸膜中皮腫に罹患して亡くなった元従業員の遺族が提訴した損害賠償訴訟(岐阜地方裁判所令和元年(ワ)第589 号)において、2025年11月26日、下記の通り被告の日立製作所との間で和解が成立いたしました。
記
1.事実経過
1961 年3 月~1979 年8 月(約18 年5 ヶ月)、笠戸工場で鉄道車両の艤装(配管の取付け)作業に従事
2016 年8 月26 日、悪性胸膜中皮腫について業務上疾病として労災認定
2017 年12 月27 日、死亡
2019 年10 月9 日、提訴
2.アスベストばく露状況
笠戸工場で製造されていた旧国鉄車両や海外向け鉄道車両の構体の内側には、アスベストが吹き付けられていました。元従業員は、車両内部での艤装(配管の取付け)作業の際に吹付けアスベストから発生したアスベスト粉じんにばく露し、また、配管部品の製作時に使用したアスベスト製品から発生したアスベスト粉じんにもばく露しました。
3.笠戸工場におけるアスベスト健康被害について
厚生労働省が公表している情報によると令和6年度までの日立製作所笠戸工場におけるアスベスト健康被害による労災認定被災労働者数は、40 名にのぼっています(内訳は、肺がん9名(うち認定時死亡1名)、中皮腫30名(同13名)、石綿肺1名(同1名))。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_35324.html
4.当弁護団の和解にあたってのコメント
関係団体のご支援、元同僚の方々のご協力等のおかげで、鉄道車両製造工場におけるアスベストばく露の事案につき、本日和解に至りました。和解内容を公表することはできませんが、本件訴訟については一応の解決をみました。
日立製作所笠戸工場では、アスベスト健康被害により多数の労災認定者がおり、毎年新たな労災認定が続いています。今後も過去のアスベストばく露による新たな被災者が発生することが予想されます。
被告企業においては、被災者救済の観点からの積極的な対応が望まれます。
5.原告のご遺族のコメント
本日、生前の父がどうしても笠戸工場でのアスベストばく露を認めてほしいと訴え続けていたことについて、このような形で結果を出していただきました。長い時間がかかってしまいましたが、ようやく決着がつき墓前に報告することができます。
ご協力いただいた皆様には心から感謝いたします。大変ありがとうございました。
父が他界して、もうすぐ8 年になります。
もし父が中皮腫に罹らなければきっと今でも元気でいてくれているのではないかと思うと、悲しみは8 年前と変わらず私たち家族を苦しめ続けています。父は、多くの方が発症していることを知り、いつ自分が発症するかと恐れる日々、発症してからの苦痛の日々でした。父が肉体的にも精神的にも追い詰められていったことを忘れることはできません。
当時、父と一緒に働いていた皆様は、今お元気であっても、いつ中皮腫を発症してもおかしくないと言えます。
会社には、退職後の方を含め可能性がある全ての方に注意喚起を行っていただくとともに、専門病院における健康診断の実施により早期発見を促していただきたいと思います。
どうかよろしくお願いいたします
今回の事案を含めて当弁護団の取り組み実績を【実績紹介】のページに掲載しています。
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