建材メーカー6社を被告とする建設アスベスト訴訟を広島地方裁判所において提訴しました。広島地裁では初めてとなります。

2025年3月28日広島地方裁判所
2025年3月28日、建設アスベスト被害者8名の方々について建材メーカー6社を被告として総額2億2880万円の損害賠償を求めて広島地方裁判所に提訴しました。広島地裁では初めての建設アスベスト訴訟提訴となります。
被告6社の内訳は、ニチアス、エーアンドエーマテリアル、エム・エム・ケイ、太平洋セメント、日鉄ケミカル&マテリアル、積水化学工業です。これらのメーカーは、各原告の石綿ばく露状況、石綿ばく露原因となった原因建材の分析に基づいて各原告ごとに被告として特定されたものです。
被害者8名の内訳は、 大工4名、内装工1名、保温工1名、ダクト工1名、サッシ取付業者1名です。8名のうち5名がすでに死亡しています。8名が発症したアスベスト疾患は、中皮腫4名、肺がん3名、びまん性胸膜肥厚1名で、いずれの方も労災認定されています。
石綿ばく露作業には、昭和30年代から平成18年以降の期間に従事しており、最も若く死亡された方の死亡時年齢は54歳という若さで胸膜中皮腫により死亡されています。
【原告Yさんの声】
会社の健康診断において、肺の異常をしてきされ、Y大学病院を受診したところ右肺の肺がんと診断されました。すぐに手術をうけ、右肺上部の3分の1を摘出しました。永年にわたり、建設関係の仕事をしていたので、アスベストが含まれる建材を切断したり、加工したので、その際に知らず知らずのうちにアスベストを吸い込みました。
労災保険の手続きをおこない、私の肺がんはアスベストによる肺がんであると認定されました。
今も定期的に病院に行っていますが、いまだに、手術のあとがずきんという痛みを感じることがありますし、息苦しさを感じます。また、いつ肺がんが再発するのかの不安をいつも持っています。
建設の仕事をしてきましたが、建材の中に身体に悪いアスベストが含まれていることは知らされていませんでした。マスクを着けるようにと教えてもらったこともありませんでした。
肺がんになったことで私の人生は大きくかわりました。建材メーカーは、危険だと知りながら私たちに使用させたことをあやまって欲しいと考え、今回の裁判に参加することにしました。皆さんのご支援をお願いします。
当弁護団では大阪地裁での取り組みに加えて今回、広島地裁での集団提訴を行いました。今後さらに西日本地区の建設アスベスト被害者の方々の被害救済を進めてまいりたいと考えております。
建設アスベストをはじめとするすべてのアスベスト被害者とその家族からのご相談をお待ちしています。
無料相談は、フリーダイヤル 0120-148-516(広島)、0120-834-931(大阪)、または、メールをご利用ください。
【提訴についての報道】
建設現場でアスベスト健康被害 元作業員や遺族など15人 建材メーカー6社に損害賠償求める 広島(広島ニュースTBS)
石綿被害で集団訴訟 元作業員ら、製造6社に損賠求め 地裁 /広島(毎日新聞)
「危険と知りながら使用させた」アスベストで健康被害 元作業員らが提訴 広島(中国放送 yahooニュース)
建設石綿被害、6社を提訴 広島などの元建設作業員たち(中国新聞)