工場型アスベスト国賠訴訟において、ニチアス王寺工場(旧商号・日本アスベスト王寺工場)元労働者(死亡)遺族と国との和解が成立しました。
本年(2023年)1月10日奈良地方裁判所において、日本最大最古のアスベスト製品製造会社のニチアス株式会社王寺工場※(当時、日本アスベスト株式会社)の紡績部門で働いていた女性(中皮腫1名、肺がん1名)のご遺族と国との和解(工場型)が成立しました。
当弁護団は、ニチアスについては、王寺工場【奈良県王寺町】ほかの元労働者やご遺族の代理人として数多くの工場型アスベスト訴訟を担当し和解を実現しています。ニチアスは日本で最古・最大のアスベスト製品製造企業とされ、王寺工場のほかに羽島工場【岐阜県羽島市】、袋井工場【静岡県袋井市】、鶴見工場【横浜市鶴見区】などの工場、建築、研究、事務、警備部門なで多くの職種で極めて多数のアスベス被害が発生しています。
また、工場型アスベスト被害についての国賠のみならず、ニチアスを相手取った企業損害賠償にも取り組み、勝訴判決を取得しております。
当弁護団は、工場型アスベスト国賠訴訟の和解事案を数多く担当しており、建設型アスベスト被害とともに工場型アスベスト被害のご相談にも対応していますので、お気軽にご相談下さい。
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※ニチアス株式会社王寺工場(旧商号・日本アスベスト株式会社王寺工場)においては、判明している限り(2021年度までの認定分)のアスベスト労災認定状況は、肺がん61件、中皮腫43件、石綿肺20件、良性石綿胸水7件、びまん性胸膜肥厚8件、合計139件です(厚生労働省発表)。なお「石綿肺」については、2010年度までに労災認定された件数は含まれていないこと、及び、労災認定に至っていない石綿肺(じん肺管理区分2、3イ、3ロであるものの、法定合併症を発症していない場合)の件数は含まれていないですが、このような「石綿肺」の方も、国との和解や企業賠償の対象になります。